【ソウル聯合ニュース】先端素材大手の東レ(東京・中央区)の日覚昭広社長は19日、同社の韓国子会社、東レ尖端素材の李泳官(イ・ヨングァン)会長と共にソウルで懇談会を開き、韓国事業への投資拡大計画を発表した。

2020年までに韓国に1兆ウォン(約1000億円)を投資し、韓国東レグループの年間売上高を昨年の2兆8000億ウォンから20年までに5兆ウォンに増やす計画だ。

東レは現在、韓国に東レ尖端素材、東レケミカル、STEMCO、東レバッテリーセパレータフィルムコリア(TBSK)、東レBSFコーティングコリア(TBCK)などの系列会社を置いている。

日覚氏は「韓国の人件費は上昇したが、日本に比べるとまだ有利な状況。東レは高級商品を生産するため優秀な人材が必要だ」と、大規模投資の背景を説明した。韓国事業を拡大し、サムスン電子や現代自動車、SKなどグローバルトップ企業の需要に対応するとしている。

◇東レ尖端素材 スパンボンド不織布の生産増強 

東レ尖端素材はアジア1位のスパンボンド不織布事業に1150億ウォンを投じる計画だ。ポリプロピレン(PP)を原料とするPPスパンボンド不織布はおむつや医療用マスク、ガウンなどに使われる。

南東部の慶尚北道・亀尾で建設中の工場が来年完成すれば、韓国内のみで年6万4000トンを供給できるようになる。李氏は「アジア1位にとどまらず、世界1位の不織布メーカーに成長する」と意気込みを語った。

同社はあわせて、1000億ウォンを投じてポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の生産ラインを増設し、年1万8600トンの生産能力を確保する計画だ。PPS樹脂は耐熱・難燃性に優れ、自動車軽量化部品や電機・電子素材として使われる。

◇2次電池用セパレータの生産や新製品開発に投資

TBSKとTBCKも多額の投資を行う。TBSKは4000億ウォンを投じてリチウムイオン2次電池用セパレータの生産能力を倍増する計画だ。同社のセパレータは携帯電子機器や自動車などのリチウムイオン電池に広く使用されている。これに関するコーティング能力の引き上げにも1500億ウォンが投じられる。

李氏は「電気自動車(EV)の普及などに伴うリチウムイオン2次電池市場の拡大に能動的に備える」と説明した。

STEMCOも、半導体チップを薄いフィルム形態のプリント回路基板に実装するCOF分野などでの新製品開発に2000億ウォン程度を投じる方針だ。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/19/2017101902351.html


東レ、韓国工場に350億円投資 EVなど向け電池部材

【ソウル=山田健一】東レは19日、韓国で2019〜20年に3500億ウォン(約350億円)を投じ、電気自動車(EV)などに使われるリチウムイオン電池部材を増産すると発表した。

「セパレーター(絶縁材)」と呼ばれる特殊フィルムの生産能力を17年の計画比で5割高める。韓国のリチウムイオン電池大手などに電池の安全性を左右する重要部材を供給し、成長市場を取り込む。

東レの韓国子会社が中部の亀尾(グミ)で操業するセパレーター工場に2000億ウォン、中部の梧倉(オチャン)にあるセパレーターのコーティング加工工場に1500億ウォンを投資する。8月に公表した、世界でセパレーターの生産能力を17年度見通し比で3倍に増やす計画の第1弾になる。

亀尾の工場は同社最大の生産拠点で、16年と17年の計画分を含め計3100億ウォンを投資したばかり。EV需要の拡大を見込んで大型投資を継続する。

ソウルで19日記者会見した日覚昭広社長は「日本より人件費がまだ安く、難しい工程を管理できる優秀な人材を採用しやすい」と韓国への投資の背景を説明。韓国子会社の李泳官会長は「LG化学や現代自動車などの顧客と成長戦略について議論している」と述べた。

社会貢献の一環として韓国に科学振興財団を設立することも併せて発表した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22460610Z11C17A0TI1000/