2017年10月20日、開幕まで100日余りとなった平昌(ピョンチャン)冬季五輪について、韓国・ノーカットニュースが読者を不安にさせる記事を報じた。見出しには「真冬に露天運動場で?」とある。そう、同五輪の開・閉会式が行われるメーン会場「オリンピックプラザ」は屋根がなく吹きさらし、これといった防寒対策もなく、大統領府も頭を悩ませているというのだ。

記事によると、山間部に位置する同会場付近の過去10年間の2月の平均気温は氷点下4.5度、体感では氷点下10度にもなるという。また日本のメディアが伝えた会場近くの観測所のデータでは、開会式が開かれる2月9日の過去5年の平均気温は氷点下8.3度で、2013年には最低で氷点下20.3度を記録している。

そこに造られたスタジアムは、天井も外壁もない開放型の構造。観客は厳しい寒さにさらされ、雪や雨が降ればさらに悲惨な状況になることが想像できるが、暖房設備はない。観客は会場で配られる予定の膝掛けとカイロで「耐える」しかないのだ。

記事はもう一つ、会場の安全問題も未解決だと伝えている。大会終了後の維持費用などを考慮し、スタジアムは使用後の撤去が容易にできるよう「臨時施設」の形態で建てられている。そのため風が強く吹いたり観客が一度に大勢移動したりすると揺れるのだそう。先月、安全点検のため現場を訪れた大統領府の関係者までもが「安全に問題がないと分かっている人でも不安なのに、国民は果たしてどうだろうか」「なぜこれほどいいかげんに準備したのか疑わしい限りだ」と語ったという。

こうした直接的な問題に加え、北朝鮮にまつわる安保問題や経済環境の冷え込みといった事態を抱えた韓国では、国民の五輪への関心はいまひとつ盛り上がらないままだ。記事によると、大統領府は国民の関心を引き出すため「孤軍奮闘」しているという。

スタジアムの安全問題については、安全管理公団と大統領府がそれぞれ2回ずつ安全点検を行い「問題なし」との結論を得ているものの、さらに国民の目で安全性を確認してもらうため、収容人数の7割に当たる2万8000人をスタジアムに招くイベントを準備中とのこと。また防寒対策については近く国民を対象にアイデアを募集し「国民参加型の五輪」を演出する計画という。

この記事を受け、韓国のネットユーザーからは「大統領府の皆さん、いろいろとご苦労さま」「政権が変わらなかったら五輪は大失敗するところだった」と温かい声も上がったが、「真冬に屋根なしって、誰も行かないだろ!」「キム・ヨナと選手たちだけでやってくれ」「今からでも誘致した五輪を返上して」「やっぱり五輪はやめておいた方が…」など、五輪に対しますます後ろ向きな声が集まっている。(編集/吉金)

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20171020/Recordchina_20171020063.html

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