「420万台vs180万台」。昨年韓国が生産した自動車は英国の2倍を越えている。自動車に関する限り韓国が英国より先進国だとみることができる。英国は50余年前は世界1位自動車輸出国だったが、今は完成車業者がすべて海外企業に売却され、発注者ブランドによる生産(OEM)方式ですべての車両を生産している。

ところが英国政府の考えはちょっと違う。完成車業者の数、研究開発(R&D)競争力、労働効率性において英国が韓国よりはるかに進んでいると主張する。さらに韓国自動車部品業者に事業がやりやすい英国に移るように誘惑する。

今月18日、ソウル・プラザホテルで開かれた「自動車は大英帝国(Automotive is GREAT)」キャンペーンにはこのような英国政府の認識がそのままあらわれた。英国輸出の44%を占める欧州連合(EU)からの離脱(Brexit)を決めて以来、英国政府は交易萎縮を懸念して製造業の育成に積極的だ。

特に産業波及力と雇用創出効果が大きい自動車産業に全力を注いでいる。「自動車は大英帝国」というキャンペーンはそのような努力の一環だ。

チャールズ・ヘイ駐韓英国大使は「英国自動車産業について知らせ、韓国自動車企業にビジネスチャンスを提供するためにイベントを企画した」と話した。

注目すべきなのは英国が今回のキャンペーンを最初に発表する場所に韓国を選んだという点だ。英国政府はベアリング・ヒンジ・ショックアブソーバーなど29種類の自動車部品を細かく羅列し、その部品を英国で作る場合、現地市場規模がそれぞれいくらなのか金額を示した。リストによると英国で今すぐ必要な自動車部品の市場規模は合計40億ポンド(約6000億円)だ。

英国自動車投資機構の専門家ジェイ・ネグレー氏は「(政府ではなく)英国自動車業界が自律的に『英国で生産されるならば直ちに購入する部品目録』を作成した」とし、「韓国の部品会社が英国で部品を生産するならば英国政府が責任を持って空間を用意するだろう」と請けあった。

驚いたのは韓国の自動車部品企業を誘致するとして英国政府が提示した統計だった。英国は韓国自動車産業の弱点を正確に見抜いていた。例えば韓国の自動車部品業者は主に売り上げの大部分を1〜2種類の完成車に依存する。売上げ回収先が制限的という状況で完成車業者が崩れれば部品業者は衝撃を分散する方法がない。

発表者はこれを意識したように英国の地図を広げてみせて「英国では18社の自動車ブランドが24カ所の工場を運営している」と強調した。韓国部品業者が英国に渡っていけば特定の納品先に命を預けなくても良いという意味だ。

悪化する韓国自動車産業のR&D競争力も看破した。工場を英国に移しさえすればR&D費用の半分を英国政府が責任を持って払うと約束した。実際、英国政府は昨年自動車部品関連業者にR&D支援金だけで27億ポンドを投資した。

英国政府は「実現可能性がある技術であり既存製品の性能を改善することができるという事実さえ証明すればR&D投資額の半分に対し政府が責任を負う」と話した。

中央政府・地方政府の二重規制の罠に捕われた韓国の実状もすでに研究を終えているようだ。

ネグレー氏は「英国は欧州で最も規制が進歩的(progressive regulatory)であり法人税が低い」とし、「候補地さえ選べば中央政府が地方政府の関係者を直接紹介する」と話した。

非効率的な韓国労働市場を念頭に置いたように英国政府は労働効率性の関連資料も持ってきた。もちろん人件費が安い東欧と比較すると英国の賃金の方が当然高い。これに対して英国政府は「最近10年間の人件費上昇率は最も低い水準だった。人件費が急激に上昇しないのが私たちの強み」と話した。

http://japanese.joins.com/article/599/234599.html

>>2以降に続く)