安倍晋三首相が率いる自民・公明の連立与党が、22日に行われた衆議院早期総選挙で圧勝をおさめた。連立与党は313議席(自民284,公明29)で、全議席の3分の2(310席)以上を確保し、改憲発議ラインを超えた。

これに伴い、安倍首相は一生の課題である改憲への試みを本格化するものと見られる。平和憲法体制を覆し“戦争ができる国”を現実のものにしようということだ。戦犯国家である日本の再武装は、中国や韓国の強い反発を呼び起こし、また別の北東アジアの緊張高揚要因になり得る。

これは朝鮮半島問題にも良くない影響を及ぼす可能性が高い。2021年まで首相職を維持する可能性が高まった安倍首相は、対北朝鮮強硬一辺倒で北東アジアの緊張を高めようとするだろう。それでこそ日本の再武装論が米国の支持の下で一層力を得て、国内政治的にも立場を強化することができるためだ。

今回の総選挙序盤に安倍首相は、私学スキャンダルで内閣支持率が辞退危険ラインの20%台まで下落し、事実上改憲動力を失ったかに見えた。しかし、北朝鮮核危機が高まると保守層が結集し、結局選挙で大勝利をおさめることができた。

総選挙実施の名分であった「消費税引き上げにともなう財源配分」問題は、選挙期間中にどこへ行ったか分からない程に消え、ひたすら北朝鮮の脅威を強調する戦略だけが残った。そうした点で安倍首相が23日の記者会見で「国民の信頼を背景に北朝鮮の脅威に強力に対応するだろう」と強調したことには憂慮の恐れがある。

保守層の影響が強まるにつれ、韓日政府間の「慰安婦合意」をはじめとする歴史問題などでも、日本の右傾化の歩みは加速化するだろう。特に今回の総選挙で、若年層の自民党支持率が高かったという点は、もう一つの心配事だ。

誤った歴史教育で日本の若者たちの歪曲された歴史認識が増えているという傍証と見ることができるためだ。これは、周辺国の若者との歴史認識格差を広げ、今後北東アジアの協力と共存に暗い影を落とす。トランプ米大統領が安倍首相と政策だけでなく個人のキャラクターでも強い共感を形成している点も、やはり私たちには留意しなければならない点だ。

韓国政府はこうした時であるほど、政府間外交だけでなく日本の市民社会との連帯を強化するなど、全体的に対日外交に力を注がなければならない。北東アジアの平和と安定に韓・中・日が共に出られるよう、安倍政権に働きかけることが必要だ。

http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/28769.html

>>2以降に続く)

http://img.hani.co.kr/imgdb/japan/news/resize/2017/1023/150876584245_20171023.jpg
22日の衆議院早期総選挙で圧勝した安倍晋三首相が、自民党党舎で当選者の名前の上に花形のリボンを付けている=東京/ロイター聯合ニュース