北朝鮮に対する制裁で2016年に北朝鮮との貿易額が減少したと発表していた中国がこのほど、貿易額が実は増加していたと統計を修正した。国際社会の対北朝鮮制裁に中国が歩調を合わせていない証拠と受け取られる可能性がある。

韓国の対外経済研究院によると、中国税関当局は最近、16年の北朝鮮との貿易総額を当初の53億7400万ドルから56億5200万ドルに修正した。15年の貿易総額(55億1100万ドル)と比較すると、2.4%減から一転、2.5%増加したことになる。

中国は北朝鮮の貿易総額の90%以上を占め、北朝鮮経済を分析する上でバロメーターの一つとなる。北朝鮮と中国の貿易が減少すれば、国際社会の対北朝鮮制裁に中国がある程度同調しており、北朝鮮が経済的に打撃を受けていると見なすことが可能だ。

ワシントン・ポストなど米国メディアはこれまで、中国側の発表に基づき、北朝鮮と中国による貿易額が昨年は減少したと報じてきた。

これに対し、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)など韓国の関係機関は、中国による北朝鮮への原油提供分まで含めると、北朝鮮と中国の貿易が昨年は実質的に増加したとの見方を示していた。

中国の公式統計は減少したことになっており、混乱が見られたが、最近になって中国税関当局が統計を修正した格好だ。北朝鮮の主な輸出品目である無煙炭、衣類などの輸出額が当初よりも増えたほか、国境地帯で運び屋が行う小規模貿易も当初統計よりも増えた。

中国が国際社会の制裁ムードに配慮し、いったんは貿易額が減少したと公表しながら、後になって統計を修正したのではないかとの指摘もある。

対外経済研究員のチェ・ジャンホ副研究員は「北朝鮮と中国の貿易統計は北朝鮮経済をうかがい知ることができる数少ない統計の一つだが、中国税関が統計数値を調整しており、混乱が生じている」と指摘した。

北朝鮮と中国による貿易は、今年上半期は前年同期比0.8%減の25億ドルだったとされる。専門家はそれを根拠として、対北朝鮮制裁がある程度効果を上げていると分析した。しかし、後日発表される確定値で統計が修正される可能性もある。

パク・ユヨン記者

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