「誰の笑顔も奪わないために」を合い言葉にした第3回反ヘイトスピーチ基礎講座が18日、東京・中央区の銀座教文館で開催された。

銀座のどまんかでヘイトデモに遭遇し、衝撃を受けた倉橋あかねさんが女性グループ「銀座No!Hate」を立ち上げ、2016年6月から始めた。

今回は関東大震災とデマがテーマ。はじめにツアーコンダクター役の渡辺雅之さん(大東文科大学准教授)が「ヘイトスピーチは悪化(エスカレート)する性質を持つ。その最たるものが関東大震災だった」と述べた。

続いて中沢けいさん(法政大学教授、作家)と『九月、東京の路上で』の著者、加藤直樹さんが語り合った。

関東大震災直後のデマは当時の内務省、警察が拡散させたものだが、何かが起きたとき「こんな朝鮮やっつけろ」といった短絡的な発想を引き起こす火種はいまでもあると加藤さん。東日本大震災や熊本地震を例に「災害時の流言はこれからも起きる」と警告を発した。

中沢さんは朝鮮人の犠牲者数6000人について「数字が怪しいとなれば出来事そのものまで怪しい、なかったものとするのはレトリックの悪用であり、許せない」と歴史修正主義の横行に怒りをあらわにした。

講座の開催費用は毎回クラウドファンデイングというネットの寄付でまかなっている。倉橋さんは6回までは続けたいと語った。

(2017.10.25 民団新聞)

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著書を手にする加藤直樹さんと中沢けいさん