昨年10月29日、ソウル清渓(チョンゲ)広場に集まった市民たちは、崔順実(チェ・スンシル)国政介入事件を糾弾し、朴槿恵(パク・クンへ)大統領の退陣を訴えた。毎週末続いたろうそく集会の始まりだった。

国会の大統領弾劾案可決と憲法裁判所の罷免決定、そして早期大統領選が行われるまで。ろうそく集会1年を迎え、今日光化門(クァンファムン)広場では記念集会が開かれ、汝矣島(ヨウィド)では「ろうそくパーティー」も開かれる。親朴(親朴槿恵)団体は太極旗集会を開き、朴前大統領の釈放を求める予定だ。

「陰の実力者」の国政介入報道で触発されたろうそく集会は、市民の自発的な参加で政治的変化を引き出した。1700万人と推算される市民は、それぞれ韓国社会の不条理と矛盾を正さなければならないという熱望をろうそくに込め、新しい大韓民国の未来を夢見た。そのろうそくが変化を引き出す原動力になったのは、徹底した平和集会だったことにある。

一部では騒乱もなくはなかったが、ろうそく集会は終始、平和的に祭りのように行われた。そのような「広場民主主義」に世界も賛辞を送った。

ろうそくの熱望の中で誕生した文在寅(ムン・ジェイン)政権も、いつのまにか来月10日で発足6ヵ月を迎える。5・9大統領選で勝利するやいなや政権移行委員会もなくスタートした新政権は、「積弊清算による『再造山河(国の再建)』を最優先の国政課題として推進している。

新設の中小ベンチャー企業部長官がまだ空席で、組閣も仕上げができていないが、各省庁で積弊清算機構を稼動し、多くの積弊を暴き出して反省文と共に過去との断絶を宣言している。
 
このような積弊清算ドライブにもかかわらず、期待に及ばないという一部の批判は依然としてある。しかし、積弊清算に加速度がつき、焦りによる脱線を懸念する声もある。国政課題がすべて積弊清算に帰結し、社会のあちこちで疲労を訴え、抵抗も現れている。

特に、積弊清算が朴槿恵政権を越えて李明博(イ・ミョンバク)政権にまで拡大したことで野党が「政治報復」と反発しているうえ、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時にまで広がるなど、政界葛藤は日増しに激しくなっている。

歴代政権も発足時に過去の清算による改革を推進した。清算は騒々しくなるものだ。清算による改革はやむを得ず、「過去のあら探し」になるためだ。文政権も例外ではない。各省庁で溢れ出る積弊清算は、過去だけで未来は見られない。政府は「積弊清算がなければ未来もない」と強調する。その通りだ。

しかし、積弊は未来に向かって進む過程で清算されるものであり、清算を終えて未来に進む断絶した過程でない。
 
それゆえ積弊清算は未来を見通すものでなければならない。歴代政府の過去の清算が、予想できない副作用を出して急速に動力を失って漂流したのも、過去のあら探しに汲々としたためだ。焦って強行することではない。過去を断罪する司法的手続きは、現政権の任期内に終えることが難しいかもしれない。

このような失敗の経験を繰り返さないためにも、この6ヵ月の積弊清算の過程を振り返り、正しい原則と基準を再点検する時が来た。

第一に、清算の目標は、特定の人物や勢力ではなく、古くて腐敗したシステム、すなわち制度と慣行でなければならない。しかし、特に、積弊清算が過去を暴き、特定の人物と勢力をあら探しして断罪することに変質してはならない。各省庁で、検察捜査にまでつながる過去の積弊を公開しているが、制度的改善案は見られない。

誤った構造を正し、文化と意識まで変える構造的・総合的青写真が共に出てこなければならない。そうしてこそ大胆にえぐり取るものの、暮らしには損傷のない積弊清算になることができる。

http://japanese.donga.com/List/3/all/27/1109031/1

>>2以降に続く)