米国のトランプ大統領が昨日、日本で安倍首相とゴルフ会談を行い、48時間にわたる日本訪問の日程をスタートした。世界ランキング4位の日本人プロゴルファー、松山英樹選手も交えて5時間にわたり汗を流しながら、二人はいま一度改めて関係を深めたことだろう。しかも両首脳によるゴルフ会談は今年だけで2月27日に続きすでに2回目だ。また夕食はごく少数の関係者だけが同席して非公式の夕食という形が取られた。トランプ大統領はこの日、東京の横田基地で演説したが、その時も日本について「宝のようなパートナーであり、核心的な同盟国」と表現し、さらに「米国を代表してこの注目すべき国の市民に米国国民として最も温かい希望を伝える」とも述べた。まさにこれ以上ないほどの賛辞だ。

 安倍首相はトランプ大統領による今回の日本訪問をきっかけに、日米関係をさらに緊密化させ、国益を拡大するチャンスとして活用している。それがまた日本国内における安倍首相の支持にもつながるだろう。安倍首相は今月3日にはトランプ大統領の娘で大統領補佐官を務めるイヴァンカ・トランプ氏を東京の高級料亭で自らもてなした。

 トランプ大統領は7日に国賓として来韓するが、米国大統領が国賓として韓国にやって来るのは25年ぶり。25時間の滞在期間中には拡大首脳会議、公式晩さん会、国会での演説、米軍基地訪問などのスケジュールが組まれている。どれも非常に意義深いものだが、最も重要な首脳同士の個人的関係を深めるためのイベントはなく、また韓国国民と直接触れ合う予定もない。

 今、世界で米国の力を最もうまく活用すべき国は日本ではなく韓国だ。まず何よりも北朝鮮の核問題を実際に解決できる国は米国以外にない。また東アジアで厳しい緊張状態が続く中、韓国を覇権欲なしに守ってくれる国も米国だけだ。ところが日米両国は米英関係を思わせるほど最高の親密さをアピールしているのに対し、韓米関係は非常に形式的で儀礼的なものへと変わりつつある。

韓国政府はトランプ大統領の来韓直前に中国と高高度防衛ミサイル(THAAD)に関する合意を結び、それによって「THAADの追加配備はしない」「米国主導のミサイル防衛(MD)体制に参加しない」「韓米日同盟に応じない」という立場を公にした。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日にある海外メディアとのインタビューで「米国との外交を重視しながらも、中国との関係も一層堅固にするバランスのよい外交を目指したい」と述べ、いわゆる「米中バランス外交」を採用する方針を明確にした。米国が求めてきた北朝鮮に対する制裁も、北朝鮮の金融機関関係者18人を名指しするだけで終わっている。これではトランプ大統領が韓国にやって来ても、日本とは違って大きな問題が起こらず無事終わることだけを願うしかない。一方でトランプ大統領が韓国にやって来る7日からの2日間には100件以上に上る集会の届けが行われているが、そのほとんどがトランプ大統領の来韓に反対する反米的なものばかりだ。米国なしに朝鮮人民軍の動向さえ把握できず、また長射程砲による攻撃もまともに防げない国で、これほど見境のない動きが国民の間から出てきているのだ。これはこの国の国民が勇敢だからなのか、あるいは愚かなだけなのか、もはや分からなくなってしまった。

 このままだとトランプ大統領は北朝鮮問題で何か行動するときはまず安倍首相と相談するようになり、韓国とは完全に順序が入れ替わってしまうだろう。これは安倍首相の一言が米国の対北朝鮮政策に大きな影響を及ぼすことを意味する。なに故このような状況になってしまったのか到底納得できない。

2017/11/06 10:07 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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