産経ニュース2017.11.12 00:55更新
http://www.sankei.com/world/news/171112/wor1711120003-n1.html

【ダナン=田中靖人】中国の習近平国家主席は11日夕、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と訪問中のベトナム中部ダナンで会談した。韓国の聯合ニュースによると、双方は北朝鮮の核・ミサイル開発問題について「対話による解決」を目指すことで一致。12月に中国で改めて会談することで合意した。

 北朝鮮に対し、日米が一致して「全ての選択肢」があると厳しい姿勢で臨む中、当事者の韓国が連携から抜け落ちた形だ。トランプ米大統領が訪韓して米韓同盟の重要性を確認した直後の中韓の過剰な接近で、対北方針の練り直しを迫られる可能性すら出てきた。

 会談で、文氏は「失われた時間を挽回できるように共に努力したい」と中国との関係改善に意欲を示した。中韓両国は10月末、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備で悪化した関係の改善で合意しており、会談はその延長線上にある。

 だが、中国は対北強硬路線を取る日米から韓国を引き離そうとしている。中国国営新華社通信によると、習氏は北朝鮮との対話を再開するよう文氏に要求。THAADについても、文氏に「責任ある態度」を取るよう求めた。

 中国との経済関係を重視し対北融和姿勢の文政権が中国側の要求にほぼ応じた形で、日米韓の分断策は中国のもくろみ通りに進んでいるといえる。