このため、専門家の多くが現在は電気自動車優勢だが、究極的には水素自動車が大勢になると予想している。現在の価格はツーソンix35の場合、8500万ウォン(約870万円)で、補助金の適用を受ければ5000万ウォンだ。技術開発と量産が本格化すれば、補助金を含め、3000万ウォン台まで値下がりが見込める。ただ、水素ステーション1カ所の建設費に30億−40億ウォンを要するなどインフラ構築費用がかさみ、政府の支援なしでは市場は成長できない。

■韓国政府の支援不足

 市場調査会社フロスト&サリバンによると、今年1万8000台規模の水素自動車の世界市場は、22年には10万6000台に拡大が予想される。現代自は06年から実証作業を進め、13年に世界で初めて水素自動車の量産に成功した。それを見たトヨタ、ホンダ、メルセデス・ベンツなどが追随し、水素自動車の開発を急いだ。トヨタは14年にMIRAI(ミライ)を発売し、15年には全世界での販売台数で現代自を抜いた。現代自のツーソンix35は13年の発売から今年9月まで834台を販売したにすぎないが、MIRAIは4368台を売り上げた。日本政府の積極的支援があったからだ。

 韓国も15年以降、毎年エコカー普及ロードマップを修正し、水素自動車の普及計画を立てた。22年までに韓国国内で水素自動車1万5000台を普及させ、水素ステーションを310カ所に拡充するとした。しかし、推進意思が足りないと指摘されている。政府が今年までに整備を予定していた水素ステーション24カ所のうち、完成したのは12カ所にとどまる。大林大の金必洙(キム・ピルス)教授は「政府の思い切った支援がなければ、韓国企業が先に量産に成功しながら、全てを失う状況になりかねない」と警告した。

金城敏(キム・ソンミン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版