韓国・済州島(チェジュド)の済州市で7日、日本統治時代に朝鮮半島から労務動員された「徴用工」を象徴する像の除幕式があった。韓国内での徴用工像の設置は少なくとも3件目。設置した民間団体は当初、日本総領事館前に計画したが地元自治体の許可が出ず、約7キロ離れた旅客船ターミナル前に建てた。今後は総領事館前への移設を目指すとしている。

 設置したのは全国民主労働組合総連盟(民主労総)が主導する民間団体。元徴用工が求める個人賠償について、日本政府が「1965年の日韓請求権協定で解決済み」との立場であることを批判し、「日本が過ちを認めない現実を変える」として募金活動を展開。約5千万ウォン(500万円)を集めた。

 像は、動員先の日本の鉱山で故郷を眺める、名もなき朝鮮半島出身者という設定で、土台には「強制動員のつらい歴史を記憶し、平和と解放の道に向かって進みます」と刻まれた。

 民間団体は7月、アピール効果をねらって日本総領事館前に設置すると発表。日本政府は「外交関係に関するウィーン条約に照らして問題」と反発し、韓国政府に適切な対応をとるよう要請した。民間団体によると、総領事館前の道路を管理する地元自治体は今回、許可を出さなかった。民間団体幹部は「強硬手段をとることもできたが、まずは像を建てることを優先した」と話した。

 別の団体はソウルの日本大使館…

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2017年12月8日09時27分 朝日新聞デジタル
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