夕刊フジ2017.12.9
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171209/soc1712090004-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

 韓国で来年2月に開幕する平昌(ピョンチャン)冬季五輪に激震が走った。米国のニッキー・ヘイリー国連大使が米テレビ番組で、北朝鮮情勢をめぐる緊張が高まるなか、米国選手団の参加は「未確定」と述べたのだ。米国が不参加となれば、日本も追随する可能性がある。今後の北朝鮮情勢次第で、大会は事実上の「中止」に追い込まれることもありそうだ。

 ドーピング問題によるロシア選手団の参加除外決定が出されたのに続き、平昌五輪にとって、ショッキングな発言が飛び出した。

 「北朝鮮をめぐる緊張が高まるなか、2018年冬季オリンピックへの米国の参加は、まだ未確定の問題だ」

 6日に放送されたFOXニュースの報道番組で、ヘイリー氏はそう話した。さらに、「私たちは(米国選手団の)安全のため細心の注意を払う」とも述べた。

 サラ・サンダース大統領報道官は7日の記者会見で、米国の参加について「正式決定していない」と述べたが、その後ツイッターに「米国は韓国で開かれるオリンピックへの参加を楽しみにしている」と書き込んだ。

 ヘイリー氏は、「更迭」方針が伝えられるレックス・ティラーソン国務長官の後任候補に挙げられる人物で、その発言の影響力は大きい。

 米高官の衝撃発言に韓国社会は騒然としている。8日付の朝鮮日報は《ヘイリー米国連大使「北脅威のため、米の平昌五輪参加疑問」》との大見出しで伝えた。

 米国が平昌五輪への不参加を決めた場合、影響は確実に他国に及ぶ。ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議するため、米国が1980年のモスクワ五輪出場をボイコットすると発表した後、日本や韓国も追随した。平昌五輪では欧州でも安全面を懸念する声が出ており、不参加国が拡大する可能性も考えられる。

 韓国は土俵際に立たされている。