◆徴用工像 来年3月日本大使館前に設置へ 韓国市民団体

太平洋戦争中に日本の炭鉱や工場などで過酷な労働を強いられたとする韓国の徴用工の問題をめぐって、ソウルで14日、シンポジウムが開かれ、主催した市民団体は、来年3月、日本大使館の前にこの問題を象徴する像を新たに設置すると発表しました。
韓国では、太平洋戦争中に徴用工として日本の炭鉱や工場などで過酷な労働を強いられたとする元労働者やその遺族が、日本企業に対して損害賠償を求める訴えを相次いで起こしています。

その関係者らでつくる市民団体が、14日、ソウルでシンポジウムを開き、与党の国会議員や大学教授も出席しました。
この中で、市民団体は来年、日本の植民地支配からの独立を目指す運動が始まった日にあたる3月1日に、ソウルの日本大使館の前にある、慰安婦問題を象徴する少女像の隣に、徴用工の問題を象徴する像を新たに設置すると発表しました。

「痛恨の壁」と題されたこの像は、ソウルの日本大使館のほか、南部プサン(釜山)にある日本総領事館の前に設置されている少女像を作った韓国人が制作にあたっており、高さが4メートルで、4人の徴用工が嘆く姿を表現しているということです。
市民団体は当初、この像をことし8月に設置するとしていましたが、制作作業が予定よりも遅れたと説明しています。
徴用工の問題について、日本政府は1965年の日韓請求権・経済協力協定によって、「完全かつ最終的に解決済みだ」としており、この問題を象徴する像が設置されれば、日韓間の新たな火種となりそうです。

写真:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171214/K10011259071_1712141919_1712141921_01_03.jpg

NHKニュース 2017年12月14日 19時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171214/k10011259071000.html?utm_int=news_contents_news-main_007