平昌五輪の開会式に参加してきた、といっても観てきただけさ。
スタンドは、最初は寒くて仕方が無かったが、式が進むにつれて会場は熱気に包まれていって
しばらくすると、スタンドの後ろの方からゴトゴトと音がしだした
するとゴーという音と共に冷たい風が吹き込んできたんだ。
俺は頭を両手で抱えるようにして膝に頭が付くくらい前屈みになって
その風が吹き終わるのを待った。気がつくとフッと目の前が明るくなったと思ったら
俺はさっきまでの寒さがウソだったように、温かい空気に体中が包まれていることに
気がついた。
周りは冬の景色のままだったけど、まるで春がやってきたようだった
その後はどうやって日本に帰って来たのか、自宅へどうやってたどり着いたのかは覚えていない
家に入る時に「ただいま、楽しかったよ」と大声で叫んだけど
目の前にいる母さんも妹もまったく俺のことが見えていないようだったよ
父さんはテレビを観て俺の名前を叫んでたよ、泣きながら・・・