「油屋」は「湯屋」であり、モチーフは「風俗業」
宮崎監督はあるインタビューの中で「今度は風俗業界を描きたい」という主旨の話をしていたそうです。
江戸時代には地方の温泉宿から始まった混浴の公衆浴場「湯屋」が存在し、
湯女(ゆな)と呼ばれる女性たちが働いていました。

千は源氏名
「油屋」では本名ではない別の名前で呼ばれます。
これは風俗業界でいう”源氏名(げんじな)”であり、
本当の名前を忘れるというのは後戻りのできないところまでこの世界にどっぷり浸かってしまうことを指しています。

お客が全員男→娼館
油屋に来る八百万の神たちは全員男として描かれているようです。すべて個室であったり、女性客がいないことから、
「風俗」的な施設であることが想像できます。

入り口に「回春」の文字
お腐れ様の来店で大慌てのシーン。湯婆婆の後ろの金の屏風には「回春」の文字が映っています。

キャバクラ話が題材に
宮崎監督は鈴木敏夫プロデューサーから聞いたこんな話にアイデアをもらったと話していたそうです。
「人とちゃんと挨拶ができないような女の子がキャバクラで働くことで、心を開く訓練になることがあるそうですよ」