>>106つづき

味付けについて

 胡麻を多産するので、ごま油をもって百食の調味の元とすると言っていい。
 また、たいてい胡椒と唐辛子を加えて調理しており、この2味を用いないものは無いも同然である。
 それゆえに朝鮮人は咽喉への刺激により、一種の咽喉の病気を受ける者が多いと聞く。

 醤油は上品下品とあって、極上品は日本製に及ぶが、値段が高すぎて容易に得ることは出来ないと言う(おそらくは日本からの輸入品か)。
 下等品は不味くて食せない。
 味醂はない。
 砂糖も無いので蜜を代用している。
 牛乳は用いない。


米について

 米は日本のものと似るが、粘質に乏しく日本の下等品よりも劣る。


茶らしいもの

茶(緑茶)は無い。
 干した生姜の粉と陳皮(蜜柑の皮を干したもの)を砕いたのを煎じたものを「茶」としている。
 貴人はこれに人参(朝鮮人参)を入れて人参湯と称する。つまり煎じ薬を飲むにも似ている。