【コラム】今こそ日本をテコに中国リスクを克服しよう

 2014年に韓中の自由貿易協定(FTA)締結交渉関連の取材で会った日本の専門家は
異口同音に「韓国は中国を甘く見過ぎだ」と話し、「韓中日FTAを結ぶべきだ」と主張した。
日本をてことして使い、中国との交渉力を高める「ジャパン・レバレッジ戦略」を駆使すべき
だとの助言だった。当時記者は韓国が中国市場を先取りすることを懸念する日本の
偏狭な愛国心の発露だと決め付けた。しかし、日本が予想した通り、
韓国は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題をめぐる中国の報復になすすべもなく
やられ、韓中FTAは使い物にならなくなった。

 中国の正体を実感する機会は多かったが、韓国は見て見ぬふりを決め込んだ。中国は12年、
尖閣諸島(中国名・釣魚島)紛争と関連し、レアアースの輸出を中断。不買運動、
輸出入時の通関遅延などで日本に報復を加えた。日本企業の工場に対する放火や略奪も
起きたが、韓国は対岸の火事だと眺めていた。中国がベトナム、フィリピンへの観光中断など
報復措置を下した際も韓国政府は声明すら出さなかった。

 「中国リスク」は貿易報復の域を超え、「主権侵害」につながっている。
韓国は中国の「大国化」で恩恵を受ける国から被害国へと転落しつつある。
いかに対応すべきか。中堅国家の力を合わせる「ミドルパワー連合」が突破口になり得る。
超大国・米国がトランプ大統領就任以降、自国優先主義、孤立主義を強めている点を
考えればなおさらだ。

 韓国が手を結ぶことができる中堅国は日本だ。民主主義と市場経済という価値を共有し、
輸出主導型の市場経済という経済モデルも似ている。両国の協力は中国だけでなく、
米国に対する発言権の強化にもつながる。日本にとっても切実だ。米日同盟が日本の
安全保障の根幹だが、中国の軍事大国化が加速する中、米国の衰退と
孤立主義で安全保障上の不安が高まっている。

2018/01/07 05:06 朝鮮日報