「人類共通の男系祖先」であるY染色体アダムは、20-30万年前の一人だと推定される。
これはミトコンドリア・イブの年代とおおむね一致している。

これは、それ以前にY染色体がなかったということを意味するのではなく、
Y染色体は何十万年も前から存在していたが、そのほとんどは、途中で絶えてしまい、
今もなお存在しているもののなかで一番古いものは20-30万年前のものだ
(このアダムと同世代の他の男性は、いずれも男系子孫を残していない)、
というだけのことである。

現時点のY染色体は、数万年もたてば、すべて滅びてしまう。

そして未来における何らかのY染色体をもつ誰かが、数万年後の世界にとって
Y染色体アダムとなる。