https://www.jiji.com/jc/article?k=2018012800350

 【北京時事】河野太郎外相は28日、中国の王毅外相と北京の釣魚台迎賓館で約3時間半会談した。日中関係の改善に向け、安倍晋三首相と習近平国家主席の相互往来を着実に進めることで一致。北朝鮮の非核化に向けた連携も確認した。また、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を中国軍の潜水艦が航行した問題で、河野氏は再発防止を強く求めた。

 河野氏はこの後、中南海で李克強首相を表敬訪問し、日本が議長国を務める日中韓3カ国首脳会談の今春開催と、それに伴う李氏の来日を招請。李氏は今年が日中平和友好条約締結40周年に当たることを踏まえ、「関係改善の勢いを強固にしたい」との意向を示した。

 外相会談では、「日中は協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」ことを確認。王氏は李氏訪日について「早期実現を目指したい」と述べ、両国間で具体的調整を進めることとした。

 河野氏は尖閣周辺での潜水艦事案について「日中関係改善を阻害しかねない事態を引き起こすべきではない」と改めて抗議。両外相は、東シナ海で日中の偶発的衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の早期運用開始に向け、努力することで一致した。

 北朝鮮の核・ミサイル問題で日本側は「引き続き圧力を高めていく必要がある」と強調。両外相は、国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行していくことを再確認した。

 外相会談に合わせ、日中両政府は双方の駐在員らによる年金保険料の二重払いを解消するための社会保障協定の締結について実質合意した。(2018/01/28-19:23)