2018年2月5日、国際オリンピック委員会(IOC)は韓国のアイスホッケーチームのゴールキーパー、マット・ダルトンが使っている「忠武公(チュンムゴン。李舜臣の死後に贈られた称号)ヘルメット」について「五輪での着用は不可」と通告した。韓国・国民日報はかつての五輪を例に挙げてIOCの「ダブルスタンダード」だと指摘している。

記事によると、同問題はIOCと国際アイスホッケー連盟(IIHF)が五輪参加選手らのヘルメットデザインを事前にチェックする過程で発生した。李舜臣の描かれたヘルメットが政治的に解釈されて規定違反になったのだが、ダルトンは「理解できない」との立場を明らかにしている。「韓国の歴史上大きな意味を持つ李舜臣を描いただけで、政治的な意図はない」というのだ。

カナダ出身で16年3月に韓国に帰化した同選手は「ソウル・光化門にある李舜臣将軍の銅像がかっこいい」との理由から、左頭部に李舜臣の絵を入れたヘルメットを愛用してきた。国を守ったとされる李舜臣の功績とあいまって、このヘルメットは多くの注目を浴びてきたという。

IOC側は「韓国だけでなくすべての国の選手が同じ規定の適用を受ける」とし、英国のロビン・フッドや米国の自由の女神など他国の英雄についてもユニフォームや装備への表示を禁止したとされる。

また、記事は「IOCが日韓関係を懸念して韓国選手の政治的行為を厳しく規制したのは初めてではない」と伝え、12年ロンドン五輪の男子サッカーの日韓戦を挙げている。当時「独島(ドクト。竹島の韓国における呼称)パフォーマンス」を行ったパク・チョンウはIOCの調査を受け、表彰式に不参加となった。政治的行為を禁止する「五輪憲章」に違反した疑いがあると判断されたためだ。メダルこそ剥奪されなかったものの、その後、国際サッカー連盟(FIFA)から国際Aマッチ2試合の出場停止処分を受けた。

さらにその後、韓国ではIOCの「ダブルスタンダード」を批判する世論がピークに達したという。「日本の体操代表チームが帝国主義・軍国主義時代の日本の象徴だった旭日旗がデザインされたユニフォームを着てメダルを獲得したにもかかわらず、何の制裁もなかった」と主張しているのだ。「IOCには『欧州の選手がハーケンクロイツ(※ドイツのナチズムの象徴)のユニフォームを着て出場するのを想像できるか』という請願が相次ぎ、 韓国以外の他国からも調査を促す声が上がった」としている。

韓国のスポーツ評論家は、「IOCはパク・チョンウやマット・ダルトンなど選手個人に対しては『政治的』という理由で厳しい物差しを突き付けているが、実際自分たちは興行のためには民族主義を利用して政治的行為をためらわない」と批判している。

韓国のネットユーザーからも「李舜臣は侵略したわけでもないし、国を守った将軍。ありえない」「ナチスのような国は許可して、これの何が平和と言える?」「IOC内に日本人がいるのだろう。でなければこんなことになるはずがない」と憤る声や、「ボイコットしよう」「これを機に開催国としてなぜ戦犯旗(=旭日旗)が使われてはいけないのか、韓国の痛ましい歴史を世界に広めてアピールしよう」など意気込むコメントが続出している。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)
http://www.recordchina.co.jp/b567602-s0-c50.html