https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180222/k10011338941000.html
2月22日 16時32分

ピョンチャンオリンピックの競技会場では選手たちを支えるスタッフが奔走する姿も多く見られます。スキーの選手の板により滑りやすくなるようにワックスを塗る「サービスマン」と呼ばれる職人もその1人です。

雪の状態に合わせたワックスとは
スキーフリースタイルの代表チームのスタッフ、金谷浩司さん(48)は、板にワックスをかける「サービスマン」です。

チームでサポートを始めて10年、今回は、スキークロスやハーフパイプの女子選手4人を担当しています。

今月13日にピョンチャンに入ってから連日、競技会場の雪の状態を確認して、どのワックスが適しているかテストを続けてきました。

スキーでは、雪の状態に合わせたワックスをかけられるかが競技結果にも影響すると言われています。金谷さんは、現地に数十種類のワックスを持ち込み、気温や湿度、雪の温度などを細かく測定しながら、条件ごとにどのワックスがよりスピードを出せるかデータをとっていました。

今回のオリンピックでは、開幕当初は厳しい冷え込みで雪は固い状態でしたが、後半に入って気温が上がり、水が含まれる「ざらめ雪」とよばれる状態に近くなり、日本の雪と質が似てきたということです。

金谷さんは「日本のサービスマンにとって経験という点で有利になっている」と話していました。
担当選手の滑りは?
そして21日、金谷さんが担当する選手の1人、梅原玲奈選手(34)が女子スキークロスのタイムトライアルに出場しました。

梅原選手はスキー板の滑りは悪くありませんでしたが、技術的なミスもあって1分17秒81で21位でした。

梅原選手は「道具の状態はよかったです」と話す一方、「ミスもしてしまったし、コースの感覚が練習と変わっていたので、合わせるのが大変だった。あすに向けていいトレーニングになったと思います」と話していました。

一方、レースを見守った金谷さんは「タイムトライアルで最終チェックができ、このあとの試合で使うワックスがほとんど固まりました。最後は当日の天候で決めます。試合の勝敗を選手の実力以外のところで決めてしまうというのは、いちばんやってはいけないことで、最善を尽くします。梅原選手にはぜひ、いい滑りをしてもらいたい」と話していました。