平昌冬季五輪の閉会式に出席する北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長率いる代表団の韓国入りを阻止するため、韓国の保守系最大野党、自由韓国党が24日夜から、南北境界線近くの統一大橋付近で徹夜の座り込みを行った。

 韓国の中央日報(日本語電子版)によると、同党は「金英哲訪韓阻止闘争委員会」を構成。座り込みに続き、25日には同党や保守系団体のメンバー数百人が、金氏を乗せた車両が通るとみられた統一大橋付近で抗議集会を行った。

 同党が金氏の訪韓に抗議するのは、金氏が過去に情報機関トップの偵察総局長として、2010年の韓国哨戒艦沈没や延坪島砲撃を主導したと指摘されているためだ。

 同党の張済元首席報道官は中央日報に対し、「わが国民を集団虐殺した殺人魔、金英哲は、決して大韓民国の土を踏むことはできない。金英哲が大韓民国の土地を踏むためには、われわれを先に踏まなければならないだろう」と“決死の覚悟”を語った。

 しかし金氏は座り込みの情報を事前に察知していたのか、別ルートで移動したもよう。「訪韓阻止闘争委員会」の前を通ることなく、25日午前、ソウル市内のホテルに到着した。金氏は27日まで韓国に滞在する予定で、平昌五輪の閉会式に出席するほか、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談する見通しだ。

http://www.sankei.com/smp/pyeongchang2018/news/180225/pye1802250035-s1.html