空母には空母の機能というのがあり、それがなければ外見上似ていたとしても
空母ではない
いずもに欠けている空母の機能を挙げると、@艦載機の離発着機能 A艦載機の
整備機能 B空母として運用するための乗員 ということになる

通常、空母からの戦闘機の離陸にはカタパルトが必要となるが、いずもにはない
また、着陸のためにはアングルデッキやフック用のワイヤーが要るが、これもない
さらに、艦載機の飛行速度が大幅に早くなり、航空管制も異なるが、これにも
対応できない

VTOL機を用いればその辺は解消できなくもないが、整備はできない いずもの
工場装備で戦闘機の整備を行うというのは、バス工場で電車の整備を行うような
ものでほぼ不可能

さらに、乗組員の問題がある パイロット、整備士、管制官など、陸上の基地から
連れてきてもそのままでは使えない 船乗りとしての訓練を要する お客さんでは
ないので、火災になったらどうするか、乗員が海に落ちたらどうするかなど、すべてに
対処できなければ空母乗りとはいえない

以上のように、艦体の改修も大掛かりに行う必要があり、乗員の訓練にも時間を
要する であれば、一から空母を造る方が早い その辺りのことをよく理解せず、
左翼は「危険だ」と喚き、右翼は「頼もしい」と安心するが、どちらも間違っている

もっとも、政府もそんなことは百も承知 本格的な空母の整備はそのうち始まる
ことになる