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【シンガポール=吉村英輝】

フィリピンの華人団体などが首都マニラに昨年12月に設置した、日本軍占領下(1942〜45年)の慰安婦を象徴するという女性像が、台座ごと撤去されたことが28日、分かった。

女性像は、マニラ市が管轄する、マニラ湾に面した遊歩道に建てられていた。産経新聞が助手を通じて28日朝に現地を確認したところ、設置されていた場所には穴があき、横約2メートル、縦約10メートルの範囲が、フェンスやビニールシートで覆われていた。周囲には、像や重機などは見当たらなかった。

一部の現地紙も同日、像の撤去を報じ、マニラの日本大使館も撤去を確認した。

近くの売店員によると、マニラ市職員と名乗る作業員が27日夜、ショベルカーなどを使って像を撤去。台座や記念碑板なども丁寧に外され、一緒に持ち去られた。作業員は「水道管の修理」と話していたという。

撤去の理由や、撤去が一時的なものかなどは不明だが、像の近くには数日前から重機が置かれていたという。像設立の助言役を務めた華人のテレシタ・アンシー氏は、マニラ市などに問い合わせたが、「撤去を事前に確認することはできなかった」と話している。

女性像は比華人団体「トゥライ財団」などが製作。政府機関「フィリピン国家歴史委員会」が認定して、「日本占領期に虐待の犠牲となったフィリピン人女性を追悼する」などと記した記念碑を作製。マニラ市が設置許可を出した。

女性像について、日本政府は「遺憾」を表明し、フィリピン政府に、唐突に設置された経緯などを明らかにするよう求めている。


2018.4.28 10:53
https://www.sankei.com/world/news/180428/wor1804280034-n1.html
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