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時事通信

 【北京時事】中国の李克強首相が8日、公賓として日本を訪れる。

 2013年3月の就任以来初めての来日で、中国首相としては、11年5月の温家宝氏以来7年ぶり。李首相は今年3月の記者会見で「両国指導者の相互訪問は中日関係が正常な軌道に戻るのに役立つ」と意気込みを語っており、関係改善の流れを一層強固にし、習近平国家主席の来日につなげる任務を帯びた訪問となる。

 日中関係は、日本政府が12年9月に沖縄県・尖閣諸島を国有化したのを機に中国各地で反日デモが吹き荒れ、どん底の状態に陥った。両国は、昨年の国交正常化45周年、今年の平和友好条約締結40周年という好機を見据えて慎重に外交努力を積み重ね、今回の首相来日にこぎ着けた。

 経済成長のスピードが以前より鈍化し、米国との貿易摩擦が課題の中国にとって、日中経済関係の重要性は増している。中国側には、対米貿易黒字を共に抱える日本と自由貿易体制を守る姿勢をアピールすることで、保護貿易主義の主張を強めるトランプ米政権をけん制する狙いがある。また中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」に日本を引き込む思惑もある。

 李首相は9日、日中韓首脳会談や日中首相会談に臨むほか、天皇陛下と会見する。10日に北海道入りし、11日に札幌で道県知事や中国の省長が参加するフォーラムでスピーチする予定。