https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180601-00010014-fnnprimev-int

韓国人の日中に対する好感度が逆転!

筆者が日中韓で3年ぶりに行った大規模意識調査(N=2000、2017年12月実施インターネット調査※)で、韓国では日本を好きだと答えた人々が39.3%と10ポイント以上も上がり、中国を好きだと答えた人は10ポイント近く減って30.8%にとどまった。
3年前と比べると、日中の好感度が逆転した形で、日中韓の対米感情は総じて良いのが特徴的だ。

(グラフ)アメリカとの関係 日韓比較はこちら

日本人は米国への好感度(73.3%)が目立つ一方、中国(11.1%)、韓国(22.9%)、ロシア(23.8%)への好感情が低く、とりわけ、中国への悪感情は際立っている(60.4%)。この傾向は安定しており、日本人の対中感情が好転する見通しはしばらくない。

東アジアで隣り合う日中韓3か国は、互いに対するマイナスイメージが強く、米国だけがこの地域で好感度の点において独り勝ちしている状況は変わらなかった。

同盟感情についても様々に調査したが、やはり日韓を比較した時に際立つのは、韓国の同盟に対するアンビバレントな感情だ。
下図にあるように、同盟国あるいは友好国だと考える人も多いが、同盟国とも友好国とも考えていない人が36.9%もいるのだ。
韓国は有事の際の同盟に対する信頼が高い

他方で、有事の際の同盟に対する信頼は韓国の方が日本よりも高いということも調査を通じて明らかになった。
日本人は尖閣諸島をめぐる有事で米国が中国に対抗行動をとると考えている人がごく少ない(14.0%)のに比べ、韓国人は実に54.8%が対抗行動をとると信じている。
これは3年前と比べると少し増えている。

もちろん、日韓では、想定される主要な紛争当事国が中国の場合と北朝鮮の場合で出方が異なることも影響しているだろうが、日本のクールな態度は突出していると言えるだろう。
韓国については、日本よりも日々軍事的緊張に晒されていることもあり、他の機関による継続調査では同盟に対する支持や信頼が日々影響を受けることが窺える。

例えば、韓国の東アジア研究院(EAI)による調査を見ると、2010年の哨戒艇沈没事件や延坪島砲撃のように、緊張が高まれば高まるほど同盟に対する支持が高まる傾向がある。


同盟に対する信頼の裏で

韓国のように地続きの脅威に直面する国では、同盟を信頼しないとやっていけないという心理的効果もあるのだろう。

しかし、ここへきて、同盟に対する韓国側のコミットメントが疑われる発言が出てきている。
文在寅政権の一部には、来るべき東アジア情勢を見据えて、中国との対立関係に自らを巻き込まないでほしいという気持ちが強くなってきているからだ。

日本では、2017年秋にトランプの訪韓直前に韓国が「三不政策」の声明を出したことが大きく報じられた。
韓国向けの中国人観光客を制限することで、中国政府が圧力をかけ、韓国政府が祖霊に屈したという見方が一般的だ。
しかし、これも捉えようによれば、韓国政府の認識の延長線上にある政策にすぎないという見方もできる。

日米の識者の中で話題となった記事に、フォーリン・アフェアーズ誌への文 正仁(ムン・チュンイン)韓国大統領外交安保特別補佐官の寄稿があった。
そこでは、朝鮮戦争の平和協定が締結された暁には、在韓米軍の駐留を正当化するのは難しいという主張が展開されていた。

文大統領はこの見方を打ち消すが、その後も文特別補佐官は同様の見方を「ザ・アトランティック」誌(5月17日)の取材に対して表明した。

そこで示された感情は、今は米軍が必要だ。しかし、将来においては友敵関係をつくりだす同盟はなくしてしまいたいというものだった。ザ・アトランティック誌はこの発言に明らかに驚愕し、トランプ大統領のような発言スタイルで述べたと、不快感をにじませている。

しかし、南北融和を大歓迎する韓国国民が、このような発言に多数の支持を与えていくだろうことも十分予想されるのだ。

以下ソース