【南米】差別の国 ベネズエラ 「チーノ」(中国人差別)

ベネズエラの人々は明らかにアジア人、特に中国人を軽蔑している。中国人に顔が似ている日本人も当然差別的な扱いを受ける。


「チーノ・チーノ(中国人・中国人)」と連呼される程度なら、他の中南米諸国でもよくあることなので気にもならないが、ベネズエラ人が連呼する「チーノ・チーノ」は声を荒げたりして明らかに悪意が満ちているのである。

それだけではない。僕は首都カラカスでその日に泊まるホテルを確保するためにいくつかの安宿を訪ね歩いたが、いずれも満室だと断られた。


本当に満室なら文句はないのだが、何故か僕より1分ほど後にやってきたスイス人にはちゃんと部屋が割り当てられている。もうこんなことをされると、まったくもって居心地が悪い。


さらに銀行や電話局に行っても担当者にそっけない態度をとられるし、極めつけはたまたま知り合ったベネズエラ人に家に招待されたが、家の玄関付近で家族の人に反対され、何と門前払いを食らってしまった。

 僕は何故自分がこのような扱いを受けるのか、全く理解できなかった。後でメキシコシティに住む日本人にこのことを話すと、彼はこう答えた。

パナマ運河建設のときに、労働者として多くの中国人が劣悪な環境の中、借り出されたそうである。そんな最底辺にいた中国人が今では地元のベネズエラ人を差し置いて、ベネズエラ国内で多くの店を構えている。

どうもこのことが多くのベネズエラ人の妬みをかってしまっているのである。ただでさえ政府の経済政策が失敗に終わり、失業者が増加している最中である。

さらに、犯罪の増加や軍事クーデター騒ぎが重なったこともあり、ベネズエラ人の気持ちも分からないこともないが、そんな事情を知らない善良なアジア人旅行者にとってはたまったものではないのである。