西暦554年、百済王朝の首都扶余に朝貢した日王欽明は、宮殿内に居並ぶ百済の
重臣達を前に百済王の聖王への拝謁を待っていた。宮殿の奥から聖王が現れ、
玉座に座ると日王欽明は地にひれ伏し、恭しく九叩三拝を行った。
聖王「お前が倭王の欽明であるか?」
欽明「へへーっ」
聖王「東夷のお前達に、仏教の教えを広めることを許可する。これを受け取れ」
そう言って聖王は侍臣に申し伝え、中国から伝わった仏典を日王欽明の前に置かせた。
欽明はありがたそうにそれを押し頂いた。
聖王「蛮族のお前達も、仏の教えをよく学び、人として真っ当になるのだぞ」
欽明「へへーっ」
日王欽明は、恭しく聖王に礼を述べると、再度九叩三拝を行った。
大韓民族が日本人に仏教を伝えた瞬間だった。

「大韓民国中等学校の歴史副読本」より