>>1のつづき

■ “礼儀正しい”外交はなめられる

よく日本の外交官が、「外交とは握手しながらテーブルの下で蹴りあうんですよ」などと言う。
表面上は礼儀正しくても、舞台裏では国益のためにしのぎを削る、ということだ。

ただ、日本は礼儀正しすぎる。
真面目で優秀で品が良くてお金持ちだけど、腕力ないし口げんかもしない。
小学生の頃にもそういう子いたけど、怖くないんです。そういう子は。なめられるんです。
2012年、当時の玄葉外相のモスクワ訪問の直前に、メドベージェフ首相が国後島を訪問した。
しかし玄葉氏は予定通り訪露し、プーチン大統領に秋田犬をプレゼントした。

この時のロシア専門家の袴田茂樹さんの分析が的確だった。
袴田氏曰く、これで日本が領土問題に真剣でない、と見た韓国の李明博大統領は、直後に竹島を訪問したし、翌月、中国は日本の尖閣国有化に対し、主権問題だと大騒ぎした。

日本が領土問題で真剣な対応をしないと、他の外交にも影響が及ぶ、というのだ。
つまり、なめられる、ということだ。

■ 大人げない外交を!

泥棒に説教しても無駄である。
それどころか泥棒にお土産まで渡すのが日本外交だ。
それが大人の対応だというなら、そんなものはやめた方がいい。

時には大人げない振る舞いも必要。
トランプ、習近平、プーチン、周りは大人げない奴ばっかりなのに、一人だけ大人の対応していても、外交という喧嘩には勝てないんじゃないかな。

(執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫)

・・・おしまい☆