【コラム】「Jノミクス」の失敗、文在寅政権はいつ認めるのか

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近に聞いた話だ。大統領選での選対関係者が大統領府(青瓦台)の政策室長候補に張夏成(チャン・ハソン)高麗大教授を推薦した際、文大統領の反応は芳しくなかったという。

 「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で教授出身の李廷雨(イ・ジョンウ)氏を政策室長に抜てきしたが、結果が思わしくなかった。突破力が期待以下で、経済官僚に取り込まれてしまった」と懸念を表明したのだ。選対関係者は「張教授は異なる。財閥改革市民運動を主導するほどの推進力があり、所信が明確で官僚に振り回されることはないはずだ」と説得したという。大統領選の安哲秀(アン・チョルス)候補の経済顧問だった張教授は、こうしたいきさつで「Jノミクス」の策士となった。

 張室長は現在、推薦者の期待に100%沿っている。あらゆる批判を一蹴し、所得主導成長論を押し通している。雇用重視の政府で雇用情勢が悪化すると、青瓦台は「経済のパラダイムシフトの過程で経験する成長の痛みだ」と主張した。いつになったら政策の成果が上がるのかとの質問には、「年末には改善するはずだ」「来年上半期以降、成果が表れるはずだ」と成敗の判断を先送りしている。こうした中、雇用がマイナスに転じることを恐れた政府は「大学で無人の講義室の電気を消す人」といったアルバイト5万7000人を募集することを雇用対策として示した。

 他の経済指標も最悪だ。「投機勢力との戦争」を宣言し、昨年8月2日には不動産投機対策を発表したが、1年後の結果は「狂った住宅価格」だ。中産階級と市民に虚脱感と挫折感を与えたが、誰も謝らず、誰も責任を取らなかった。成長面で最も重要な指標である「投資」は2桁成長どころか後退を続けている。産業現場からは崩壊音が聞こえている。

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