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▲徴用工訴訟で韓国最高裁が上告を棄却し、涙を流す原告の男性(右)=10月30日、ソウル(共同)

 韓国政府(経済企画院)が1976年12月に発行した公刊資料に『請求権資金白書』というのがある。

 これは65年の日韓国交正常化の際、韓国政府が日本政府から受け取った、経済協力の意味を含む過去の経済的補償である「対日請求権資金」(5億ドル)が国内でどう使われたかを詳細に記録したものだ。

 それによると資金は高速道路や国営製鉄所、鉄道、電気、上下水道、橋、港湾、ダム建設から医療、科学・技術教育、農業・水産支援など韓国社会のあらゆる分野に使われたことが記されている。

 なかには独立功労者支援事業もあり、個人についても預貯金・保険や軍人・軍属・労務者など死亡した「被徴用者」に対する補償も行われている。個人補償に関しては韓国政府が2000年代になって追加補償を実施している。

 今回の徴用労働者の補償問題も改めて必要なら韓国政府が行えば済む話である。請求権資金(補償)について当時の韓国政府は、個人補償でばらまくより経済建設に使った方が国家、国民にプラスと判断した。

 その判断は正しく、韓国は経済発展に成功し豊かになった。当時、余裕がなく面倒を見きれなかった部分があれば今、やればいいのである。何も難しい問題ではない。当事者も政府も話を日本にもってくるからややこしくなる。(黒田勝弘)

ソース:産経ニュース<【ソウルからヨボセヨ】「請求権白書」再読の勧め 責任は韓国政府にあり>
https://www.sankei.com/world/news/181103/wor1811030007-n1.html