韓国大統領府(青瓦台)の張夏成(チャン・ハソン)政策室長は4日、国会を訪れ、現在の経済状況に関する発言を繰り返した。経済危機論を否定し、現政権の政策基調を擁護する内容だった。張室長には更迭説が浮上しているだけに、野党は張室長が「『別れのあいさつ』でまで市場や前政権のせいにした」と評した。

 張室長は国会で開かれた政府・与党・青瓦台による会合で、「依然として、(韓国の)潜在成長率水準が2%台後半に達しており、これは韓国と経済水準が同様か韓国より進んだ国と比べ、決して低い水準ではない」と述べた。政府が最低賃金引き上げなど所得主導成長政策を急激に推進したために経済が低迷したという指摘への反論だった。

 張室長は一部で指摘される「韓国経済危機説」について、「根拠なき危機論」だと指摘。さまざまな経済指標が悪化していることについては、「市場で経済の矛盾が形成され、(前)政権はそれを正すために積極的に努力しなかった」と述べた。張室長は「経済を市場に任せろという一部の主張は、韓国経済をさらに大きな矛盾に陥らせるものだ。来年の政府予算案が国会を通過して執行されれば、所得主導成長と革新成長、公正経済の実質的成果を国民が体感できるようになる」と主張した。

 張室長は「スーパー予算」と呼ばれる470兆ウォン(約47兆6000億円)規模の来年度予算案に関連し、「経済の困難を税金で埋めようとしているとの批判があることは分かっている」としながらも、「しかし、経済が困難だからといって、国民が払ってくれた税金を国民に還元することを問題視することは矛盾している」とも述べた。

 張室長は会合の直後、記者団と会い、自身の更迭説について、「人事問題は自分が関与すべき事案ではない」と述べるにとどまった。会合に同席したキム・ドンヨン経済副首相も去就について何も言及せずに国会を後にした。

 共に民主党の洪翼杓 (ホン・イクピョ)首席広報によると、今回の会合で民主党と政府、青瓦台は、最近悪化した経済状況を考慮し、政府の財政規模を拡大すべきとの点で一致したという。それに向け、来年度予算案やさまざまな改革・民生法案を今回の定期国会で通過させるため、全力を挙げるとした。洪首席広報は「必要ならば、『与野党民生法案タスクフォース』を設置することも検討する」と述べた。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者

ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<経済悪化で更迭説の韓国大統領府政策室長「前政権のせい」>
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