韓国の文正仁(ムンジョンイン)・大統領統一外交安保特別補佐官は10日、ソウル市内での講演で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長のソウル訪問について「年内でなければ、来年初めにも可能かどうか今少し見極めるべきだ」と述べ、年内訪問が厳しい状況だとの認識を示した。

 文氏は米朝協議について「(米国が)崔善姫(チェソンヒ)外務次官や金英哲(キムヨンチョル)党副委員長に10回、20回以上も電話をかけても、平壌から返答がないそうだ」と述べ、交渉が行き詰まっているとの見方も示した。

 また、文氏は同夜、別の講演で「南北関係が先行すると、北朝鮮の説得が難しくなるとして、米国から韓国に対する不満が出ている」と指摘。「韓国は、南北関係が良くなれば、北朝鮮を説得できるので心配しないでほしいと、米側に説明している」と述べた。

 文在寅(ムンジェイン)大統領は2日、外遊中の機中で記者団から北朝鮮政策の違いを巡る米韓関係の混乱について問われ、「質問の根拠がわからない。不協和音というのは推測の話だ」と反論していた。(ソウル=牧野愛博)

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朝日新聞デジタル 2018年12月11日13時14分