【台北=田中靖人】台湾の蔡英文総統は5日、総統府で海外メディアと会見し、中国発のフェイク(偽)ニュースについて「台湾だけでなく多くの民主国家が同じ問題に直面している」と述べ、対抗策を講じるため各国と協力したいとの意向を示した。

 蔡氏は「中国が偽情報を通じて台湾の民主的な選挙に介入している」と指摘。「偽情報は民主主義を損なう。国際社会が共同で向き合うことが大切だ」とし、台湾の分析能力や技術を用いた協力を呼びかけた。

また、中国の習近平国家主席が2日の演説で台湾への武力行使を辞さない姿勢を示したことには「防衛力の構築が重要政策の中でも最優先だ」と強調。「台湾の防衛力強化に協力してくれる全ての国とともに努力したい」と述べ、米国だけでなく日本との安全保障協力にも期待をにじませた。

 昨年11月の住民投票で、福島など5県産の日本食品の輸入解禁に反対が多数を占めたことには「投票に一定の拘束力はあるが、世界貿易機関(WTO)の精神に従い(日台)双方が受け入れ可能な方法を探したい」と述べた。

 蔡氏が海外メディア限定で会見するのは2016年5月の就任以来、初めて。

https://www.sankei.com/world/news/190105/wor1901050016-n1.html
産経 2019.1.5 17:11