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サムスンが半導体で高収益を上げられていたのは DRAM市場の寡占のため。

ドイツのキマンダが破産し、民主党政権の超円高政策で日本のエルピーダが逝った後は
韓サムスン 韓SKハイニクス 米マイクロンの3社寡占になった。

しかもDRAMという商品は汎用性高いので「特定の用途しか使えず それが駄目になったら 共倒れでコケる」ということがなく 大容量の電子記憶媒体が必要な製品には必ず使われ売れていた。
そんな寡占体制は、新規参入しようとしても 巨額の設備投資が要るし、工場を造り量産体制を整えるまでに数年かかるから、一部 台湾勢が参入しているが 全体シェアでは3社のやりたい放題。
なかでもサムスンは最大シェアを握り、しかも家電やPCなど自社ブランド製品にもDRAM半導体を使えてたから
量産効果がダブルで出て、ベースとなる自社需要を確保した上で 大増産し ライバルだったアップルなどにも売るなど
高い利益に結び付いてた。

日本勢は過去にDRAM需要を見誤りヒドい目にあったから、あまり記憶(ストレージ)系の半導体へは手を出したくない。
採算度外視の 国家戦略でやってる中国は それでも挑むだろうけど。
ストレージ系の半導体は ただでさえ需要の波が激しく読みにくくバクチ。

そして 今は技術面でも谷間にある。
DRAMほど大規模の記憶容量を持ち 比較的安価な半導体は 今現在はないし、色んな製品に必要な部品だから引き合いが強く高値安定で売れてきたが 電力を喰い過ぎるのが問題。
そこで 記憶容量を更に層を重ねてアップさせると共に省電力化した次世代の製品の開発が進んでいて これには東芝メモリなど日米の企業も注力してる。
でも製品として量産できるまでには2〜3年はかかる。
中国勢が半導体で韓国勢を完全に追い越すのも だいたい その頃と言われてるし。
逆に言えば、そこまでは サムスンやSKは 我が世の春で甘い汁が吸える はずだった。

でもサムスンは、家電やPCやスマホの世界シェアが中国勢にヤラレて激減し、それに連れて内製で使える半導体需要も減ったし
米中貿易摩擦などで データセンター向けなど ストレージ系半導体の世界需要も落ちてきた。
シェアが高く図体がデカいだけに、歯車が逆回転し出した時の打撃もデカい。
高値安定で 大量生産し大量に売れ続ければボロ儲けだが、少し値崩れしてきたら 利益は大きく吹っ飛ぶ構図。
装置産業だから、需要が減っても固定費負担は重いし。