レーダー照射や威嚇飛行などをめぐって、日本と韓国の関係が急速に冷え込んでいる。中国は日韓関係の悪化をどのように捉えているのだろうか。中国メディアの一点資訊は28日、日本と韓国の摩擦が激化するなか、米国が支持するのはあくまでも日本だと伝える一方、日韓関係が悪化するほど「米国の影響力は削がれていく」と伝えた。

記事は、日本と韓国はここのところ、レーダー照射や威嚇飛行をめぐる問題が立て続けに発生したと伝え、韓国政府は日本を激しく批判していると紹介。関係の悪化を背景に、韓国海軍司令官は日本訪問を取りやめる方針を示したほか、日本も護衛艦「いずも」の韓国寄港を取りやめる意向を示すなど、「日韓の軍事交流は停滞し始めた」と指摘、さらに関係が悪化すれば「軍事的断交もあり得る」と論じた。

さらに、日本と韓国の間に存在する問題はそれだけではなく、歴史問題や領土をめぐる対立もあると指摘し、特に領土の対立は「日韓対立の導火線となる可能性がある」と強調。一方で、韓国にとって「耐えがたい」のは、米国が韓国の利益より日本の利益を重視していることだと伝え、米国にとって重要な同盟国は英国と日本であり、米国の同盟国のなかで「韓国の地位は日本に遠く及ばないのが現状だ」と主張した。

続けて、日本と韓国の対立に対し、米国は明確な態度を示していないと指摘する一方、「行動で日本支持を表明している」と主張し、それは米国が日韓に配備する装備からも見て取れると指摘。米軍は韓国にTHAADシステムを配備しているが、日本にはHDR(米本土防衛レーダー)を配備し、自衛隊と情報共有も行う計画だと伝え、こうした点からも米国がどちらを重視しているかが良く分かると論じた。

また記事は、韓国の文大統領はまもなく就任2年を迎えるが、2018年の経済成長率は2.7%にとどまり、失業率の高まりや家計債務の増加など、多くの問題を抱え、批判が高まっていると指摘。韓国政府の日本に対する強硬な態度の背後には、こうした問題がある可能性を指摘する一方で、日韓の軍事的摩擦から見て取れるのは「米国の同盟国同士は決して一枚岩ではなく、様々な対立や問題が存在することだ」と主張。

中国にとってはこうした対立や問題を利用しない手はなく、日韓の対立が激化すればするほど、米国の東アジアにおける影響力も削られていくと伝えた。


2019-01-31 11:12
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