韓国の歴代大統領のほとんどは、暗殺されるか逮捕されるかといった悲惨な末路が待ち受けています。言うまでもなく朴槿恵大統領の父親である朴正煕も暗殺されました。
韓国には朴槿恵大統領まで、11人の大統領が誕生していますが、その半数近くが「尋常ではない」辞め方や死に方をしています。
あまりに多くの大統領経験者が、次の政権によって裁かれたり、悲劇的な終末を迎えるため、新大統領の誕生は「5年に1度の易姓革命」とも呼ばれるほどです。

なぜ韓国の大統領は悲劇的な末路しかないのか。ひとつには朝鮮半島の特色でもある「朋党の争い」(党派同士の暗殺や虐殺)の伝統がいまだに残っていることが挙げられます。
朝鮮半島では必ずといっていいほど、仲間割れや派閥争いが起こり、それが亡国の原因となってきました。
統一新羅と高麗朝では、歴代国王のほぼ2人に1人が殺されるか非業の死を遂げています。
李氏朝鮮が滅亡したのも、もともとは高宗の父親である興宣大院君と、高宗の嫁である閔妃との衝突が原因でした。
そのためにそれぞれが外国勢を味方に引き入れるといったことを繰り返したため、朝鮮半島が戦乱の地となってしまったのです。
日清戦争にしても、この李氏朝鮮内での派閥闘争が遠因となって起こったことです。

日韓合邦の時代は、こうした朋党の争いは少なくなり、差別制度も撤廃されて朝鮮半島が近代化しましたが、日本が戦争に敗れて朝鮮半島から撤退すると、再び朋党の争いが始まります。
上海に亡命していた大韓民国臨時政府のメンバーらは朝鮮半島に戻り、新たな国造りを行いましたが、たちまち内紛が勃発し、金九や呂運亨といった主要メンバーはいずれも暗殺されています。
そして同じ民族同士が殺し合う朝鮮戦争が勃発、38度線を境に国が分裂して現在に至ります。
済州島四・三事件(1948〜1954年)、保導連盟事件(1950年)、光州事件(1980年)など、政府による自民族虐殺事件が度々起きています。
とくに済州島四・三事件は、島民の20%にあたる6万人が虐殺されたと言われています。

韓国では責任ある立場の人間が真っ先に逃げる「先逃」が伝統文化だといわれています。そのために人間不信が高まり、朝鮮半島では朋党の争いが絶えなかったわけです。
李承晩大統領は、北朝鮮が攻めてきたときに、国民をそっちのけにして真っ先に逃げました。しかも、敵が追いつけないように橋を爆破したため、多くの避難民が犠牲となっています。
セウォル号の沈没事件の際にも、船長が真っ先に逃げました。韓国では誰も信じられないがゆえに、誰からも信頼されないという悪循環が渦巻いているかのようです。

次の大統領が誰になっても、こうした韓国の特性からは逃れられないでしょう。北朝鮮と韓国を統一したら、これこそ悲劇しかもたらさないでしょう。