【ソウル=山田健一】韓国の趙明来(チョ・ミョンネ)環境相は5日、ソウルなどの大気汚染が過去最悪の水準になったことを受け、対策として「必要なら経済活動や車両運行の制限を検討する」と述べた。韓国メディアとの懇談のなかで発言した。実現すれば、韓国経済の減速要因になりそうだ。

聯合ニュースによると、5日のソウルは微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が午前11時時点で1立方平方メートルあたり147マイクログラムを記録。5日は1月14日に記録した1日平均の最高濃度129マイクログラムを上回って、過去最悪を更新する可能性があるという。

韓国の自動車や工場から出る排ガスや、中国から飛来する汚染物質が原因とみられる。

趙環境相は「PM2.5は発がん性物質なので、現在の状況が続けば、国民の生命と安全が脅かされる」と指摘。「PM2.5の濃度を下げるためにあらゆる手段を動員しなければならない」と訴え「車両2部制を国民に訴える方法もある」と話した。

車両2部制は、車のナンバーと日付によって半数の車の運転を規制する仕組み。過去に慢性的な渋滞の緩和策として実施されたことがある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42076050V00C19A3FFE000/
日本経済新聞 2019/3/5 20:40

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大気汚染のために青い屋根で知られる韓国大統領府(中央奥)がほとんど見えない(5日、ソウル)