【ニューヨーク=関根沙羅】中国のハッカーが米やカナダ、アジアなど各地の大学にサイバー攻撃を仕掛けていることが明らかになった。米海軍向けに開発された技術情報の入手が狙いとみられる。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が5日、週内に発表される報告書や関係筋の話を基に報じた。

WSJが入手したアクセンチュア・セキュリティーのサイバーセキュリティー部門アイディフェンスの報告書によると、ハワイ大学やワシントン大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)など北米や東南アジアの27校以上が標的となった。大半の大学が海中技術に関する研究所や同技術に詳しい専門家を抱える。また、ほぼ全ての大学が世界有数の海洋研究所で、米海軍とつながりが深いウッズホール海洋研究所(マサチューセッツ州)と関係があるという。

これらの大学をサイバー攻撃した中国のハッカー集団について、複数の情報セキュリティー会社が中国の情報機関との関係を指摘している。これまで海軍の下請け業者を狙ったサイバー攻撃により、潜水艦ミサイル計画などの軍事機密情報を盗んだことがあるという。

アイディフェンスによると、中国ハッカーによる大学へのサイバー攻撃は、少なくとも2017年4月から続いているという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42085610W9A300C1000000/
日本経済新聞 2019/3/6 8:52 (2019/3/6 9:37更新)