(高雄 9日 中央社)南部・高雄市内に日本統治時代から残る旧日本海軍の高雄警備府の建物(現・鎮海楼)が、同市の歴史建築に登録されることが決まった。同市政府文化局が7日に発表した。 

第2次世界大戦後期に左営港に設置された高雄警備府は、要港の警備や艦隊の後方を統轄した機関。旧日本軍は、本来漁港だった同港を軍事基地にする方針を定め、1940年代初頭から軍の施設や宿舎を相次いで建設した。43(昭和18)年には、離島・澎湖にあった馬公警備府が同地に移されて同警備府が発足した。 

同警備府の建物は地上2階(一部は3階)建てで、建築面積は2758平方メートル。かつて天井裏から「昭和16年製造」などと記された布が見つかっていることから、着工は1941(昭和16)年ごろと推定されている。 

戦後、基地は国民党政権に接収され、中華民国海軍の左営基地となった。同警備府の建物は現在、軍の教育機関である「教育訓練および準則発展指揮部」が使用している。同部が今年1月に建物の文化財登録を申請したのを受け、高雄市政府文化局文化資産センターが今月6日に審議委員会を召集。築70年以上を数える建物の歴史的価値が認められた。 

同センターは、所在地が海軍基地の敷地内という場所柄、一般開放はできないとしながらも、軍部との協力を通じて予約制ツアーなどの方式で公開する意向を示している。 

(王淑芬/編集:塚越西穂)

http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201903090001.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/03/09 14:12

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文化財登録が決まった旧日本海軍・高雄警備府=高雄市文化資産センター提供