【台北=伊原健作】台湾の呉●(かねへんにりっとう)燮・外交部長(外相)は14日に台北市内で海外メディアと記者会見し、日本と災害やサイバーセキュリティー、国際犯罪の捜査協力などについて対話を進めたいと呼びかけた。中国の外交圧力が強まるなか、非軍事分野での安保対話の進展に期待する考えを示した。

呉氏は「台湾と日本はこの地域で共通の脅威に直面している」と強調。災害や国際犯罪、中国によるサイバー攻撃を念頭に幅広い分野で協力関係を深めたいと述べた。日本と台湾は外交関係がなく、交流は経済など民間分野が中心になっている。軍事面の協力については「相当敏感な問題であることは理解している」と述べた。

台湾独立志向を持つ民主進歩党(民進党)の蔡英文政権に対し、中国は外交圧力を強めている。2016年の蔡政権の発足以降、台湾と外交関係を結んでいた5カ国が相次ぎ台湾と断交して中国と国交を樹立した。呉氏は会見で断交のリスクがある国がまだあると認めた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4248553014032019EAF000/
日本経済新聞 2019/3/14 23:01

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海外メディアと会見する呉・外交部長(14日、台北市内)