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▲ハノイ会談に同行した崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官。会談終了後の3月1日には異例の記者会見を開いた

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長はアメリカとの非核化協議を中止し、核・ミサイル実験を再開するかもしれない。

崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は首都・平壌で15日、アメリカは2月末のヴェトナム・ハノイでの米朝首脳会談で「絶好の機会」を棒に振ったと外交官に述べた。
(中略:経緯)

北朝鮮の主張

崔外務次官によると、金委員長はアメリカとの今後の協議に関する方針を、近く公式に発表する予定だという。ロシアのタス通信は、崔氏が「我々は、アメリカ側のいかなる要求に屈するつもりも、そのような交渉に積極的に取り組むつもりもない」と述べ、アメリカは「ギャングのような」立場を取ったと非難したと報じた。

崔氏は、ハノイ会談で北朝鮮が要求したのは、交渉が決裂した後の会見でトランプ大統領が主張したような全面的な制裁解除ではなく、民間の経済と北朝鮮国民の暮らしを妨げている5つの主要な経済制裁の解除だけだったと述べた。

「明白なのは、今回、アメリカ側が絶好の機会を棒に振ったということだ」

「なぜアメリカが異なる内容を発表したのか、私には分からない。我々は全面的な制裁解除は1度も要求しなかった」

アメリカの立場

トランプ大統領とマイク・ポンペオ米国務長官は2月のハノイ会談後の記者会見で、北朝鮮はすべての制裁解除を求めてきたと明確に述べた。「結局のところ制裁がすべてだった。北朝鮮は制裁の全面解除を求めてきたが、我々はそれはできなかった」と、トランプ氏は合意に至らなかった理由を説明した。

「時には、席を立たなければならないこともある。今回はそういう時だった」

国務省のスティーヴン・ビーガン北朝鮮担当特別代表は米ワシントンで11日、北朝鮮との外交は「まだ非常に活発だ」と述べた。その一方で、ハノイ会談後になんらかの交渉が行なわれたのかについてや、さらなる協議の予定については言及しなかった。

米朝両首脳は昨年6月シンガポールで初対面し、現職米大統領と北朝鮮の最高指導者の歴史的な初会談が実現した。決裂に終わった2回目のハノイ会談後、トランプ大統領は3回目の首脳会談については未定としながらも、将来的には「良い結果」が得られるだろうと楽観的な見方を示した。
(後略:<解説>外交の扉は開いたまま――ローラ・ビッカー、BBCソウル特派員)

ソース:BBC<北朝鮮、米国は「絶好の機会」を棒に振った 非核化協議を断つと警告>
https://www.bbc.com/japanese/47581163