【慰安婦のミダ】
自称慰安婦のミダが笑うことはない。毎週水曜日、日本大使館の前で
開かれる集会で「アイゴー、アイゴー」と泣くのがいつもの彼女の姿である。
しかし、彼女には知られざる秘密があったのである。
 ミダは貧しい農村に生まれ、自分も知らないうちに親によって
朝鮮人の女衒に売られた。近くには日本軍の駐屯地があったので
客はほとんど日本兵だった。最初は悲しくて泣いてばかりだったが、
客を取るとお金をもらえ、いいものが食べられ、いいものが着れる事を知った。
彼女は、しだいにライバルと競うようになり、明るい笑顔を振り撒いては客を奪い合った。
しかし、終戦、朝鮮戦争と激動が彼女を襲い、再び貧乏にあえぐようになった。
そこに、救世主が現れた。従軍慰安婦強制連行を捏造した団体が
彼女に声をかけたのである。
再び明るい表情を見せた彼女だが、団体の人間は
「お前は笑うな。二度と笑うな。お前の笑顔は真実味がなくなる」と事も無げに言った。
それから、彼女は笑うことはなくなった。大使館前で悲しげな表情を浮かべ
泣き叫ぶのが彼女の日常である。