▲朝鮮半島には日本の『源氏物語』に相当するものは残念ながら
ありませんねぇ。
日本の平安女流文学に比肩するものなどただの一つもありません(きっぱり)。
大体ハングルの成立する15世紀以前に朝鮮に古典文学と言えるようなものは
ただの一つも存在しないというのが実情です。

▲彼等の誇る『春香伝』にしても、せいぜい中世の説経節
(17世紀に盛んだった語り物芸能。『小栗判官』とか
『百合若大臣』『山椒大夫』とかが有名)程度の存在に過ぎませんし、
『洪吉童伝』なんざ、御伽草子の『金太郎』がいいとこです。

▲ちなみに、『万葉集』に相当するものならありましたよ。
統一新羅時代の話ですが、『三代目』という歌集が編まれたことが記録に
残っています。
例によってまったくの痕跡を残さず完全に散逸してしまいましたが(苦笑)。

▲わずかに『三国遺事』という13世紀に作られた右翼坊主の捏造史書など
2種類の中世文献に合計25首の郷歌(ヒャンガ)が収録されており、
『三代目』に収録されていた歌も多分こんな感じだったのではないかな〜(汗)
と辛うじて推測することが出来るのみです。

しかも、その25首の郷歌すら、新羅語の言語資料不足のため
未だにまともに解読されていないというのが実情だったりします。