「うらやましいです。率直に言って嫉妬しています」

 先週末、ワシントンで米国と日本の外交・国防相会議、いわゆる「2プラス2会議」が行われたとのニュースについて、かつて6者協議主席代表を務めた韓国外交部(省に相当、以下同じ)OBがこのように語った。主要外信各社は2プラス2会議後、米日の閣僚4人が国務省庁舎内のベン・フランクリン・ルームで並んで会見する様子を大きく報じた。外交次官まで務めた別の外交部OBは「2カ月間で3回首脳会談をするだけでも蜜月関係と言えるが、2プラス2までやるとなれば、これは米日関係は言葉だけでなく実質的にも非常に強固という証拠だ」と述べた。今回の2プラス2会議は近く始まる「米日連鎖蜜月イベント」の予告であり興業の保証手形のようなものだ。

 米国はどこの国とも2プラス2をやるわけではない。米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟28カ国をはじめ40カ国以上と軍事同盟を結んでいるが、2プラス2をやる国はごく少数だ。同盟国にもランクがあるとすれば「特別な同盟国」だけが米国と2プラス2会議ができる資格がある。そのような国はアジアに2カ国ある。オーストラリアと日本だ。オーストラリアは1985年から昨年まで28回、日本は1996年から今回まで18回、米国と2プラス2会議を行った。ほぼ年に1回のペースだ。その日本が米国との2プラス2会議を3年間できなかった時期がある。自民党から政権を奪った旧民主党の鳩山政権が米国との約束を破り、沖縄県普天間基地移転に待ったをかけたからだ。当時、米日関係は史上最悪と言われた。

韓国も一時は米国と2プラス2会議をした時期がある。2010年から16年までの期間、2年ごとに合計4回開催された。ところが現政権発足後は2プラス2の話は出なくなった。18年に開催するはずだったができなかった。今年も開催を推進しているといった話も聞こえてこない。外交関係者の間では「2プラス2失踪事件」といった声も聞こえてくる。

 韓国国防部の幹部だったある元将校は「北朝鮮の非核化交渉で韓半島(朝鮮半島)情勢は大きく動いている。これだけでも韓米両国の外交・国防相が直接話し合う必要性はこれまで以上に高まっている」とした上で「2プラス2会議が開催されないのは、韓米同盟がもはや表面的との見方が事実であることを示している」と嘆いた。このような指摘に対する韓国大統領府や外交部の反応は十分に予想できる。「2プラス2会議だけで両国関係は判断できない」として両首脳が7回会ったことを必ず取り上げるだろう。

 「米日外交史の氷河期」とされる鳩山政権時代も首脳会談は行われた(2009年11月)。この首脳会談で最大の焦点だった普天間基地問題は何の進展もなく、誰が見ても失敗だったが、両首脳の会見では「米日同盟」という言葉をいやというほど聞かされた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「2分の首脳会談」「外交惨事」などの批判を受けながら、韓米首脳会談で「韓米同盟」という言葉を何度も聞かされたのと同じだ。

 10年前に日本の外交官たちが感じた「同盟のむなしさ」がいかなるものか。上記の外交部OBが受話器の向こうから「嫉妬する」と語った時の表情が思い浮かんだ。

政治部=李竜洙(イ・ヨンス)次長

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/04/25 11:01