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▲尹平重(ユン・ピョンジュン)韓神大教授(政治哲学)

 文在寅(ムン・ジェイン)政権が総体的な危機に陥っている。特に外交の乱脈ぶりが危ない。共同声明すら出せなかった今月11日の韓米首脳会談はその象徴であり、最も深刻なのは北朝鮮の核危機と韓日関係だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領最大の業績である南北関係改善は砂上の楼閣になる可能性が高くなった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の施政演説がそれを端的に物語っている。今月12日の最高人民会議で金正恩委員長は意気込んでいた。文大統領の「差し出がましい『仲裁者』『促進者』のまね」を非難し、「すべてを北南関係改善に服従させなければならない」と脅した。韓半島(朝鮮半島)唯一の核武装国・北朝鮮は非核国・大韓民国をしもべ扱いしているようだ。
(中略:韓日関係も悪化の一途)

 韓日関係が行き詰まっている責任はお互いにある。「戦争ができる国」として「強い日本」を掲げる安倍政権の攻勢的国家戦略と歴史歪曲(わいきょく)が緊張を招いた。しかし、親日積弊清算と歴史を正す作業を国家大戦略より重視する文在寅政権の強硬な民族主義が状況を悪化させた。安倍政権の歴史歪曲が日本国民の嫌韓感情を膨らませ、文在寅政権の「日本たたき」が韓国国民の反日感情をあおる。経済と北朝鮮の核問題において、韓日相互協力が韓国の国家戦略に持つ死活問題的重要性を考慮すれば、致命的な自傷行為でないわけがない。感性一辺倒の文在寅政権に比べ、安倍政権は日中関係を画期的に改善するなど綿密な国家戦略を並行させている。

 文在寅政権の対北朝鮮政策と反日政策を率いるマンタリテ(集団的思考方式と集合的無意識の総体)は偏狭な種族的民族主義だ。南北関係を「我が民族同士」に従属させる時、「我が民族」の実体が隠ぺいされる。金一族唯一体制は我が民族を「金日成(キム・イルソン)民族」と規定している。民族を前面に掲げて南北国家理性の本質的対立を隠そうとする文在寅政権の弥縫(びほう)策では、真の韓半島の平和は達成できない。北朝鮮の核問題において感性的種族民族主義は民主共和国・大韓民国の存立根拠を脅かす。民族という美名により成熟した民主主義国家を揺るがし、市民の自由と豊かさを危うくしている。

 韓日関係でも種族的民族主義の弊害が顕著だ。日本の圧制を脱してから70年も経っている国で、反日運動が大衆の喝采(かっさい)を浴びる。頭と口では反日を叫びながら、体では日本の文化と日本の製品に親しみを抱く自己分裂が慢性化する。民族を国より重視する心の習慣が、自由と豊かさの居所である国の決定的重要性を看過させる。偏った種族民族主義マンタリテは文在寅政権の対北朝鮮政策と韓日関係を誤らせる根源だ。

 感性的民族主義では冷徹な国家大戦略が不可能だ。世界4大列強国が角逐する地政学的「複雑界」の韓半島では、外交の失敗が我々の生死を分ける。現実主義の国家大戦略があってこそ、その上に真の南北平和と互恵的韓日関係が花開く。成熟した国家の民主共和国で自由と人権が躍動する。我々は完全な国があって初めて完全な人間として生きていくことができる。それが国家大戦略の根本だ。韓半島の現代史が身をもってそれを証明している。

尹平重(ユン・ピョンジュン)韓神大教授(政治哲学)

ソース:朝鮮日報/朝鮮日報日本語版<【寄稿】国家大戦略を損なう文政権の感性的民族主義>
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