■新韓半島体制あらためて強調「天・海・地から銃声消える」
■韓国大統領府「4月に作成、懸案反映されていない」

韓国大統領府は7日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任2周年を迎えるにあたり、独日刊紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」(F.A.Z)に送った寄稿を公開した。文大統領は同日、原稿用紙約80枚分の寄稿で「韓半島(朝鮮半島)から銃声が消えた」「韓半島の春はこのように近づいてきた」と述べた。

しかし、4日に北朝鮮が「弾道ミサイル奇襲」という挑発行為をしてきたことについては一切言及していない。

大統領府関係者は「寄稿は先月事前に作られてF.A.Z側に送られたため、最近の懸案(北朝鮮の挑発行為など)は反映されていない」と説明した。しかし、これに対しては「ベトナム・ハノイでの米朝非核化交渉決裂や最近の北朝鮮の挑発傾向から目を背け、見たいことばかり強調しているのではないか」という指摘もある。

文大統領は同日、「平凡であることの偉大さ」という題の寄稿で、「南北は互いの間の敵対行為終息を宣言することによって、恒久的平和定着の最初のボタンを掛けた」「(朝鮮戦争)休戦協定から65年にしてこのように非武装地帯に春が来た」「(南北対話を通じて)何よりも韓半島の空と海、地面から銃声が消えた」と述べた。

しかし、北朝鮮が4日に発射したイスカンデル級ミサイルの射程距離は280−500キロメートルで、事実上、韓国を直接狙ったものだ。「米朝ハノイ会談ノーディール」で非核化交渉が膠着(こうやく)状態に陥ったのに続き、ミサイル挑発で緊張感が高まっている現在の状況とは大きな違いがある。

文大統領は「北朝鮮の開城に連絡事務所を開設し、日常的に互いが対話・接触する経路も作った」とも語った。だが、南北連絡事務所所長会議はハノイ米朝首脳会談決裂以降、10週連続で開かれていない。

かつて外交部次官を務めた高麗大学の金聖翰(キム・ソンハン)教授は「冷静な現実分析より『南北が既存の合意を忠実に履行するだろう」という希望的観測を繰り返している」と話す。

文大統領はまた、「北東アジアで平和の促進者役をしていく」「(我々が)自らの運命を切り開いていこうと思う」と述べ、「普通の人々が自分の運命の主人公になること」と「新・韓半島体制」をあらためて強調した。大統領府関係者は「我々が韓半島運営の主人公であることを再度強調したものだ」と説明した。

非核化交渉の仲裁者役を自称して北朝鮮に「差し出がましい」と批判されたのにもかかわらず、南北対話のモメンタム(勢い)を生かす促進者役を続けるということだ。このため過度の「バラ色の展望」ではないかとの指摘もある。文大統領は経済状況についても「世界第11位の経済大国になった。このような成果を、我々は変化に迅速に対応していきながら成し遂げた」と言った。

しかし、今年第1四半期(1−3月期)成長率が「マイナス」に転落したことには言及しなかった。


2019/05/07 09:00
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