世界を熱狂させる韓流について第2の「漢江の奇跡」との評価も聞かれる。1960〜70年代に米国や日本の大衆文化に憧れ、まねることにあくせくしていた不毛の地から世界の人々を魅了する文化の花を咲かせたことが、戦争の廃虚から立ち上がって成し遂げた経済成長に匹敵する価値があるという意味だ。

1993年に韓国ドラマ「嫉妬」(原題)が中国に輸出されたことが韓流の始まりといえる。97年には中国中央テレビで放送された韓国ドラマ「愛が何だ」(原題)が中国の輸入映像コンテンツとしては歴代2位の視聴率(4.3%)を獲得する好成績を収めた。「韓流」という言葉もこれを報じた中国メディアが使い始めた。

このころCLON(クローン)、H.O.T.(エイチオーティー)など韓国アーティストが海外で人気を集め始めた。

日本では2003年にNHKで放送されたドラマ「冬のソナタ」が中年女性を中心に「ヨン様ブーム」を巻き起こし、日本の韓流ブームに火をつけた。

韓流は文化コンテンツ産業の市場規模が小さい国内を飛び出し、海外に広がり始めた。中国、香港、台湾、日本での韓流ブームはベトナム、タイ、モンゴルなどアジア全域に広まっていった。

さらに、ビートルズと肩を並べるほどの名声を得たBTS(防弾少年団)をはじめTWICE(トゥワイス)、BLACKPINK(ブラックピンク)など韓国の第3世代アイドルグループの人気に後押しされ、韓流は北米、中南米、欧州と世界に拡大した。

K―POP、ドラマにとどまらず公演、漫画、文学の分野でも韓流ブームが巻き起こっている。

英歌手のエルトン・ジョンも絶賛した韓国のインディーズバンド、Say Sue Me(セイ・スー・ミー)は昨年、日本、欧州など12カ国、50都市で60回以上の公演を行った。

ウェブ漫画配信サイト「レジンコミックス」は昨年上半期、米国で2大コミック出版社のマーベルコミックとDCコミックスを抑え、米グーグルプレイ漫画部門の売り上げ1位を記録した。

作家の申京淑(シン・ギョンスク)の小説「母をお願い」は昨年、韓国文学作品としては初めて米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに掲載された。

韓国大衆文化の輸出という側面でみた韓流の歴史は20年程度だが、韓流の種をまき、花を咲かせた韓国の海外での文化交流の歴史はこれよりも長い。

現在の韓流は芸能プロダクションや放送局など民間の主導だが、過去の国際文化交流は国を広報するための手段として政府が主導した。

戦後の経済開発と輸出にまい進していた韓国政府が国際文化交流に関心を示し始めたのは40年前。1979年5月に東京に韓国文化院を開院してからだ。その後、1990年代までに世界に設置された韓国文化院は8カ所にとどまったが、韓流が本格的に拡散した2000年代に多く開院し、現在は27カ国・地域で32カ所が運営されている。韓国語、伝統文化だけでなく映画、韓国料理、ゲーム、アニメーションなど韓国の文化コンテンツを海外に発信する韓流の前哨基地の役割を担っている。

ソース:朝鮮日報/東京=聯合ニュース
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/05/15/2019051580157.html

>>2につづく