宋永武(ソン・ヨンム)前国防部(省に相当)長官が国防研究院主催のセミナーで「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は自由民主思想に近づいている」「今後は我々が韓国戦争(朝鮮戦争)のトラウマから抜け出す時を迎えたようだ」などと述べた。北朝鮮は三代世襲王朝であり、金正恩氏は神のごとく君臨しながら住民を奴隷のように扱っている。住民を思いのままに公開処刑し、さらに海外の空港では腹違いの兄を最悪の化学物質を使って殺害した。宋氏が言うように「自由民主思想」を持つ人間がこんなことをするとは考えられらない。

 宋氏はさらに「現在、北朝鮮は核や生物化学兵器さえなければ恐れる必要などない」とも発言した。その核と生物化学兵器が韓国の安全保障に大きな脅威となっているのが現実であるにもかかわらず、宋氏は一体何が言いたいのか。核は民族全体を抹殺させることができるし、また北朝鮮が保有する炭疽菌10キログラムをソウル市内に散布した場合、90万人の命が奪われるとする米国シンクタンクの研究結果もある。武器を持った強盗が家に入り込んで来た時に、家長が「武器さえなければ大丈夫」と言ったところで何の意味もない。

 文在寅(ムン・ジェイン)陣営には国民の常識からかけ離れた考えを持つ人間が少なからずいることはすでに広く知られている。そのため彼らがなぜ長官に抜擢され、国政を任されたのか全く以て理解できない。このような人物がやっと辞任したかと思えば、今度は哨戒艦「天安」爆沈や延坪島砲撃などについて「我々も理解できる部分がある」などと口にし、「西海(黄海)守護の日」を「様々な衝突を追悼する日」と言った人物が韓国軍の指揮権を引き継いでいるのが現状だ。

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/05/18 09:54