【台北=伊原健作】台湾の国防部(国防省)は22日、統一を目指す中国の侵攻を想定した軍事演習を実施した。実弾を使用し、台湾の中央通信によると公開の軍事演習としては2014年以来最大級の規模という。台湾独立志向を持つ民主進歩党(民進党)の蔡英文政権は圧力を強める中国に対抗する姿勢を鮮明にしている。

演習は台湾北東部・宜蘭県の軍港への中国軍の侵攻を想定し行われ、戦闘機のほか米国から購入し昨年就役したミサイルフリゲート艦も参加した。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は1月の演説で、台湾独立派や外部勢力の台湾問題への介入に対する武力行使を排除しないと明言した。台湾周辺での中国軍の演習も断続的に続き、台湾側は警戒を強めている。

一方、台湾の対中安全保障の後ろ盾である米国は中国側の動きを警戒。1〜4月にかけて台湾海峡では毎月、米軍艦が航行している。台湾の国防部は27日から年に一度の大規模演習「漢光演習」の実施を予定している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45152990T20C19A5EAF000/
日本経済新聞 2019/5/23 10:26